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人生の感想。映画のネタバレなどする場合があります。

ウーヴェ・ボル…てめえ…ふざけんなよ…「超科学実験体ゾンビロイド」

 「レイプゾンビ」について書いた第3回更新から「新感染 ファイナル・エクスプレス」について書いた第4回更新までには実に102日の間隔がある。この間隔の原因としては多忙、体力の問題、単純に若干飽きていたなどの理由があるが、ではこの102日間、まったくこのブログのことなど考えていなかったのかと問うならば、実は一本分の下書きを用意していた。書きかけのまま、存在を徐々に忘れていたのだ。2,3か月の時を経て、今ようやく下書きを仕上げてみたので、ここから下の文章は2017年の10月か11月頃に書かれたものだと思って読んでいただきたい。

 

 

 僕は自他共に認める、ちょっとしたゾンビマニアだ。ところが、最近メッキリ駄目なんである。アクション映画やマーベルヒーローズ、殺人鬼ホラーの面白さに浮気しがちというのもそうだが、やはりゾンビ映画の世界は言わずもがな玉石混交で、しかも悲しいかな圧倒的にクソが多い。
 高校生の頃などは、若さとヒマに任せてゾンビと名のつく映画には片っ端から目を通さずにはいられないガッツがあったが、日々バイトに明け暮れ、帰宅する深夜0時頃から映画を見始める生活が基本となった今、ゴミ映画に当たるのは結構ツライ。
 そんなわけで最近はスッカリ博打を打たなくなり、ハズレの無さそうな名作や超大作ばかり観るようになってしまったが、こんな生活も1年近くを数えるとそろそろゾンビマニアとしてのアイデンティティが危うく感じられてきた。オタク心はかくも面倒臭い。
 そんな経緯で、ツタヤでたまたま目に付いた「インド・オブ・ザ・デッド」「デッドガール」そして「超科学実験体ゾンビロイド」を借りてきたわけだ。「デッドガール」は話が重めで、「インドOTD」はかなり面白いという前評判を聞いていたため、ストーリーが大味そうで期待度も薄かったゾンビロイドを最初にプレーヤーに放り込んだ。結果として、僕は2回寝落ちを挟んだ末に途中から1.5倍速再生した。

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 時は第二次大戦下、ドイツにて敵兵の真っ只中に取り残されてしまった4人のアメリカ兵は、ハーケンクロイツがデカデカと掲げられた怪しげな建物に身を隠す。そんなとこ絶対ヤバいと思うのだが。4人は応援を要請するため通信室と書かれた部屋を見つけだすが、なんとそこにはパジャマ姿のゾンビの群れが!!
 1人がゾンビに噛まれ、1人は敵兵の銃弾で、また1人は地雷を踏み、遂に一番若いアメリカ兵が1人ポツンと生き残った。ゾンビによる犠牲者は、後にも先にもただ1人である。オイオイ。
 やがて現れたナチスマッドサイエンティスト。語られるゾンビの秘密。果たして若きアメリカ兵の運命は…?

 

 それが、よくわかんないんである。というか、もうこの映画ムチャクチャなんですよ。
 まず、ゾンビが初めて出てくるのは、もう映画は半分近く終わっている頃で、しかもそこまでの登場人物はアメリカ兵4人のみ。戦うでもなく、何も盛り上がらないまま、ただオッサン4人が建物の内部をコソコソ見回るのに50分近く使う。もうここで僕は観るのやめようかどうか迷いました。
 そして先述の通り、ゾンビの被害者はたった1人。一般市民などはほとんど出てこず、ゾンビを操るナチスの敵対勢力がたった4人なのだから当然の割合ではあるのだが、それにしたってゾンビ映画でゾンビにやられるのが1人だけってそりゃないよ。途中意味有りげに現れる地元民の女性も軽く道案内をしてくれたっきり安否がよくわかんなくなります。なんなんだよ。
 極め付けが、ナチスの科学者が語るゾンビの秘密。「なくならない戦争。死体は増え続ける。私はムダが嫌いだ。」と語る科学者。ははぁなるほど、死んだ兵士を蘇らせてゾンビ兵として再利用って寸法ね?科学者は続けます。「開発した薬は精神病を持つもののみに効果があることがわかった」ん?戦争のショックでPTSDになった兵士の死体とかかな?と思ったのも束の間、「我々は世界中から精神病患者を秘密裏に集めた」という科学者のセリフと共に、パジャマ姿の精神病患者を次々に撃ち殺す回想カット。ん?
 これ、ちゃんと説明出来る方いらっしゃいましたら是非メッセージください。何しろ僕は眠い目を擦りながら倍速で見てるもんですから、ちゃんと理解出来てないのかもしれません。でも恐らく、彼は支離滅裂なことを言ってるんだと思います。
 そして、一通りの説明をウットリと終えた科学者は、鎖に繋がれたアメリカ兵にゾンビをけしかけ、あわや噛まれる!というところで暗転。アメリカ兵の幼少の思い出の回想を挟み、茫然自失のアメリカ兵をドイツ兵が連れ出すカットで映画は終わる。まさか夢オチ?
 もうね、わけがわかんないんですよ。科学者も、最初は戦争の話してたのに気がついたらお前が息子を殺しただなんだと個人的な話を初めて、もう目的も何もかもブレブレ。久々にへんなの観ちゃったなぁ…という感じです。

 

 パッケージの裏を見てみれば、監督の名前は悪名高きウーヴェ・ボル。読者諸君(わー、江戸川乱歩みたい)は彼をご存知だろうか?ゲームの映画化を数多く手掛けるも出来はクソ&クソ、ゲーム原作の映画をこれ以上作らせないための署名運動が起きたり、かのブリザード・エンターテイメントからは「ボルにだけは映像化権を渡さない」と宣言された監督だ。ゾンビ関係だとセガの超名作ゲーム「ハウス・オブ・ザ・デッド」を監督している。世間の評判は散々だが、僕は結構好きな映画だ。
 でも、ゾンビロイドだけは許さん。僕の人生の最低映画ベスト3の第3位に堂々ランクインだ。
 

 

ちなみに2位は「ゾンビナイト(中黒が付かない方)」、1位は「ゾンビVSスナイパー」です。仏道修行でもなさっている方、もしくは敵兵の拷問用などに是非どうぞ。