人生が楽しい

人生の感想。映画のネタバレなどする場合があります。

ちょっ………と良すぎません?「新感染 ファイナル・エクスプレス」

 更新に超大幅に間が空いてしまい失礼いたしました。楽しみに待っていらっしゃった方がいるかどうかはさておいて、物の見事に3回の更新で飽きてやめるというのはあまりにも…ということで、数か月ぶりにブログを書いていこうと思う。

 

 いや、更新の理由はあながちそれだけでもなくて、実はナメてかかっていた映画が期待を1億倍上回る面白さだったので、これを書き残しておきたかったのだ。その映画というのが、「新感染 ファイナル・エクスプレス」である。

 

 

 主人公・ソグは、妻とは別居し、娘のスアンにもろくに構えない仕事人間である。ある日、釜山に住む母親に会いたいというスアンを連れ、列車に乗り込むことに(邦題では「新感染」とあるが、これはインパクトを重視したネーミングであり、舞台となる列車は厳密には新幹線ではない)。乗り合わせるのは、実直な運転士、美人の客室乗務員、おばはん姉妹、高校球児、ホームレス、バス会社常務のヨンソク、そして、サンファと妊娠中の妻ソンギョンなど、個性的なメンバーだ。

 列車は、一人の女が駆け込むのを間一髪で許し、ドアを閉める。この女、足には噛み傷を持ち、怯え切って只事ではない様子である。ちょうど同じ頃、スアンは窓の外で駅員が何者かに飛び掛かられるのを見かける。ホームでも何かが起きているようだ。

 美人乗務員がすかさず女に声をかけるが、女は一度事切れるも束の間立ち上がり、乗務員の首筋に噛み付いた。乗務員も乗客の目の前で一度息絶えたかと思えば、瞬時に立ち上がり、凄まじい形相で乗客たちに襲い掛かった。高速で走行する列車の中で、ゾンビパンデミックが始まったのだ。

 ソグは生き残りをかけ、スアンを守りながらゾンビと戦う。救援のため駅で待機していた軍隊の全滅、仲間たちとの分断、線路の断絶や暴走列車の登場など、数多の障害が生存者を襲う。果たして親子の運命は…?

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↑よく見ると結構カワイイ最初のゾンビ。日本語吹替は川澄綾子

 

 さて何から書いていこうか。この映画、誉め言葉を並べているだけで一晩明かせてしまいそうなほどお気に入りである。

 

 まず、シチュエーションの活用が非常に見事だ。逃げ場のない乗り物の中を舞台とするゾンビ映画といえばジャンボジェットの中を逃げ回る「デッドフライト」を思い出すが、線路の上を走っている、途中停車駅があるという列車の特徴が、「デッドフライト」とは一味も二味も違った展開を繰り広げていく。ゾンビにも、噛まれてからゾンビ化するまでが早い、人間を見ると凄まじいスピードで襲ってくるが視界から外れると大人しくなる、暗闇では目が見えないなどの特徴を設けることで、ゲーム的とも言えるスリリングなミッションを次々と生み、それらが物語上に隙間なく敷き詰められているので、二時間余りの上映時間が列車のようにあっという間に過ぎ去ってしまうのだ。

 そして、人物一人一人の描き方も実に鮮やかである。主人公・ソグは悪い意味で合理的な人間で、安全な客室へ逃げ込もうとする人間がいるのに、至近距離までゾンビが迫っていたために扉を閉めてしまったり、パニックの中老人に席を譲るスアンを「こういう時は自分のことだけ考えていればいい」と叱ったり、知り合いの軍隊関係者に、自分とスアンだけ隔離を免れるよう根回しをしたりするのだ。これが結構リアルというか、映画の中でこそ登場人物たちは勇敢に戦うが、現実の恐怖に直面した時、人々は割とこんな振舞いをしてしまうのではないだろうか。そんなソグも、父親の姿を嘆く娘の涙を見て、やがて共に生き残る乗客たちのために戦う勇気ある主人公へと変わっていく。スアンは、普段自分を構わないソグに対し素っ気ない態度をとることが多いが、心の底では家族を愛しており、先述のように老人に席を譲ったり、恐怖を紛らわすために歌を歌ってあげたりと、心優しい少女である。ソグと共にスアンを何かと手助けしてくれるのが、サンファとソンギョンの夫婦だ。サンファは少し乱暴だが妻とまだ見ぬ子どもを守る気持ちはめっぽう強く、並みいるゾンビ達を相手に素手で好戦する頼もしい男で、その妻ソンギョンは、身重でありながら、我が子のようにスアンと行動を共にし元気付けてくれる優しいお姉さんである。ゾンビ映画におけるありがちな悪役として、バス会社常務のヨンソクがいる。これがまた清々しいほどのクソ野郎で、自分可愛さに他人を足蹴にすることをまったく厭わないタイプだ。他にも、深い姉妹愛で結ばれた中年女性のジョンギルとインギル、高校野球部の好青年ヨングクと彼に思いを寄せるジニなど、個性豊かなキャラクター達が各々のドラマを見せる。意味ありげに登場するホームレスが、結局物語とは特に絡まることもないまま退場していくが、もしかしたら本作の前日鍛であるアニメ作品「ソウル・ステーション/パンデミック」と何か関りがあるのだろうか?筆者は見ていないので謎だ。

 あとはやはり単純に話が面白い。列車がソウルを発車してから釜山に向かうまでの短い時間で、多彩な登場人物たちが、驚くほど丁寧に、しかし映像のテンポを損なうことなく、家族や友を守るために戦うこと、愛する者との別れ、助かりたい一心から渦巻く醜いエゴなど、多様なドラマを展開していくのだ。この映画は劇場公開当時、ワイドショーの映画コーナーなどで、パニックの最中の家族愛を描いた感動作としてしきりに取り上げられていた。筆者は、「パンピーどもがうっすいレビューで騒ぎやがって」などとアングラオタク特有のヘンなプライドから劇場には足を運ばなかったのだが、ナメてました。すんません。超面白かったです。映画館で観なかったことを心から後悔してます。ホラーファンが観てガッカリしない程度にゾンビ達は怖いのだが、ゴア度はそれほど高くないので、ホラーが苦手な人にもおススメできるだろう。それこそ、ドラマチックな人物描写は本当に感動的だし、恋人で観るにもご家族で観るにもそんなにハズさない映画だと思うがどうだろう。何分筆者はギークなのでそのあたりの感覚はサッパリである。

 他にも、日本人としては身近な韓国人の顔をしたゾンビが欧米のそれよりも一層生々しい恐怖と嫌悪感を煽るとか、深夜アニメファンには耳馴染みが深い声優たちが吹き替えを担当しているとか、細かい楽しみどころはあるのだが、キリがないのでこのくらいにしておこう。とにかく、観た後にこれほどまでにテンションの上がった映画は久しぶりであった。満足度は僕が保証するので、是非皆さまにも観ていただきたい。もしご満足いただけなかったら、この間ディスクユニオンで108円で買った「ゾンビ・ハイスクール」のDVDを先着一名様にプレゼントいたします。

世界一澱んだ怒涛の非モテ超理論「レイプゾンビ」

 僕はゾンビ映画が大好きで、もうかれこれ約150本くらいは観ている。音楽やアニメなどあらゆる趣味において知識の分布が点在的で中途半端な僕が、唯一おしなべて語ることの出来る趣味である。
 それだけ観ていれば、自分の中で一定の評価の基準というものが出来てくるものだ。面白いゾンビ映画は数あれど、その中でも、ゾンビ・パンデミックを通して何かしらの主義主張を描き出すものを、僕は「名作」と呼んでいいと思っている。

 そんな名作の中で、僕が一際気に入っているのが、友松直之監督「レイプゾンビ」シリーズだ。

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あ、今何人か笑ったでしょ?

 

 全5作に渡る超大作で、加えて1本の外伝を持つ「レイプゾンビ」、あらすじを語るなら差し詰めこんな感じだ。

 

 世界中で、実在の女性に興味を持たない童貞オタクを除く全ての男性が不死身のレイプ魔と化す事件が発生。通常のゾンビと違い、彼らは頭を破壊しても死なず、無力化するにはキンタマ撃ち抜くかチンポ切り落とすしかない。中出しされた女性は精液に含まれる毒で即死してしまう。
 ナースのノゾミとOLのモモコは、パニックの最中で恋人同士となる。神社で一夜を明かした末になんとモモコは妊娠。本人はノゾミの子だと言い張るが、実際には少し前にモモコを犯しかけるも先っちょだけ入れたところで斃されてしまったレイプゾンビのカウパー腺液に含まれた微量の精子による妊娠であった。
 モモコは光り輝く赤子を出産。何故か赤子とモモコを襲わないレイプゾンビ。やがて北朝鮮から飛来したミサイルにより東京は壊滅、ノゾミはレイプゾンビの群れの中へと消えていくモモコを追えず、女村(アマゾン)避難所へ合流し、クローン技術を自在に操る科学者となった。
 一方その頃、思春期に自分らを不当に蔑み罵ってきた女性に深い恨みをもつ童貞オタク達は「アキバ帝国」を建国、モモコと赤子を現人神として崇め、その他の女性に対しては、レイプゾンビをけしかけ女狩りを楽しんでいた。
 ある日、アキバ帝国は女村避難所に総攻撃を仕掛ける。モモコを救うためアキバ帝国へと潜入していたノゾミを除いて、避難民達は全滅した。ノゾミはやっとの思いでモモコと再会を果たすも、最初の新人類であるモモコの子どもを暗殺するためアメリカから送られたアンドロイド兵・アンヌによってモモコは抹殺されてしまう。
 と、そこで浴槽で裸で目覚めるノゾミ。なんとノゾミは、モモコを救うため近未来から何度もタイムリープを繰り返していたのだ。5歳になったモモコの子ども・アキラは両性具有の新人類として驚異的な早さで第二次性徴を迎えたところだ。ノゾミをずっと見守ってきた童貞オタク・ノボルは叫ぶ。「土曜日のラグビー部室!」果たして、ノゾミは過去を変え、モモコを救うことが出来るのか!?

 

 一気に全5作分のあらすじを書き上げてみたが、自分で書いてみて頭がおかしくなりそうである。主人公の動向だけを追うとこんな感じだが、実際には狂犬女子高生タマエ、命を落とすも後にクローン巫女戦士となって復活を遂げる主婦カナエ、鬼のような巨根を持つレイプゾンビのタケシ、個性豊かな女性避難民らが物語を一層盛り上げる。

 

 さて、何から話そうか…何とも情報量の多い作品故、ご紹介が非常に難しい。
 まず、そのブッ飛んだ世界観が凄まじい。キャラクターはすべて極端化され、「いや、そんな女ばっかりでもないでしょ…」というツッコミは押殺される。メディアがレイプゾンビを「毒男」と呼び、オタク達はレイプゾンビを「リア獣」と呼び、生き残った女性の避難所が「女村(アマゾン)」というのも皮肉が効いている。そして何よりレイプゾンビそのものの設定や、クローン巫女戦士、アキバ帝国などの存在は狂気の極致である。ノゾミのタイムリープの方法など、三つ叉のバイブ型のタイムマシンを股間に充てがうのだ。女科学者が「クリを刺激する弁が過去を呼び、膣に挿入される本体が現在を揺さぶり、肛門を抉るパールが未来を繋ぐ」などと真面目な顔して言うもんだからもうたまらない。個人的にパワーワードという言葉は「とりまムチャクチャ言ってりゃ面白いんでしょ」という安易さが感じられてあまり好きではないのだが、レイプゾンビにおけるそれにはキチンと説明が為されているので、なんとも心強い説得力ではないか(納得できるとは言ってない)。
 一見くだらないお色気ホラーVシネマのようだが、実はかなりゾンビ愛に溢れた作品でもある。冒頭でノゾミとモモコが神社へ逃げ込み、先客であるカナエ、タマエと出会うシーンなどほぼ「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のフォーマットであるし、レイプゾンビが何故女性を犯すのかを語るゾンビや、女科学者によって愛を再教育され女性を襲わないゾンビなど、それぞれ「バタリアン」のオバンバ、「死霊のえじき」のバブの明らかなオマージュだ。偉大なる先人への敬意を忘れない友松監督の心意気には思わずシェイクハンズである(精神的に)。
 かなり長くなったがもう少し書かせて欲しい。何より重要なのが、作品を通して語られるテーマ、「男女の断絶」だ。事の行く末を見守る進化学者・フレッシュ後藤によって作中語られる男女の悲しいまでの認識の差、そして監督が如何に暗い思春期を送ってきたかを窺わせる主張、すなわち「ヤらせない女の罪は地球より重い」。予め言い訳しておくが、僕はまったくもって監督の主張には同調しない。同調しないが、監督は思春期の思い出話から神話、生物学、社会学、他様々な学説、人類滅亡や諺、詭弁を用いてあの手この手で観るものを煙に巻く。「非モテ男とヤらない女は、非モテ男の子孫繁栄を妨げる、つまり先祖末代までの殺意表明をしているに等しいので、非モテ男は正当防衛として女を殺していい」などと平気で言ってのけるのだ。いくらなんでもそりゃないだろう。いやしかし待てよ。何を隠そう僕自身も、女の子にはメッキリモテずセックスなどほとんど経験がない。僕はもしかして、女をレイプしたって構わないのか…?と、アキバ帝国民と一緒に「侘び、寂び、萌え」と拳を振り上げかけるが、や、冷静になってみればんなわきゃあないだろうと我に帰る。この思想までもを巻き込んだ映画の世界観への完膚なきまでのトリップ、そして現実世界へと立ち返る全身全霊の往復こそ、この映画を観る気持ち良さの真髄とも言えるだろう。
 何が悔しいって友松監督、伏線張りとその回収が非常に巧妙なのだ。見事に物語に取り込まれる一見なんでもない一幕、そしてイカレつつも妙な説得力を持った弁論によって、我々は澱みきったエロ妄想とルサンチマンの海へと沈んでいく。そしてやるせなさ過ぎるラストによって、2度と浮かび上がることが出来なくされるのだ。

 

 果たして書きたいことをすべて書き切れているだろうか。もしかしたら、後々になって「こういう魅力もあったな、ああいう魅力もあったな」と付け足したくもなるかもしれない。そのくらい、底知れない魔力を持った大快作として、僕は「レイプゾンビ」を強く世間に推したい。
 ちなみに、友松直之監督は後に「未来世紀アマゾネス」「未来戦士アマゾネス」という2本の映画を世に送り出す。テーマはズバリ「男女の断絶」。もうええわ!どうも、ありがとうございました。

戦え!何を!?人生を!!俺的人生の戦闘BGM5選

 二度目のブログ更新だ。まだまだどんな機能が存在するのかすら分からず、暗中模索しながら書いている。こんなブログにも一件だけコメントがもらえた。とっても嬉しい。前回は僕の第一の趣味である映画の話をしたので、今回はもうひとつの大きな趣味、音楽について。

 

 人生は戦いである、といったセリフを、まあまあよく見る。誰が言ったか知らないが、言われてみれば確かにその通りである。

 齢23にして勉学に苦しみ未だ大学3年生の身に甘んじている僕にとって、若しくは時間と金をひたすら萌えとスプラッタとボンクラ音楽に投じてきた結果サッパリ垢抜けない僕にとって、人生とは、就職、焦り、彼女のいるヤツ、汚い部屋、バイト、変わった性癖、卒業単位、フラれた思い出、108円で2泊しか借りられないTSUTAYA、その他諸々、おおよそそういった者達との戦いである。

 僕の人生には、そういった数多の戦いを大いに盛り上げるための戦闘BGMが欠かせない。今回は、僕の人生を幾度となく鼓舞してきた爆アゲ戦闘BGMをご紹介します。あくまで僕の人生の戦闘BGMなので、セレクトは凄まじく個人的だけども、ホントにいい曲ばっかりだから、みんな聴いて。

 

①221B戦記 / 筋肉少女帯

 記事タイトルでもお分かりの通り、僕は大槻ケンヂを人生の大兄貴として崇めている。非常にボンクラ的で少々言うのも憚られるが、この曲は人生のあらゆる苦戦を唄う筋肉少女帯の楽曲の中でも、歌は大槻ケンヂ水木一郎のデュエット、更に声優・神谷明宮村優子による熱いセリフも聴けるという、アニメオタクが聴けば鼻血を噴いて拳を振り上げたくなるような大興奮ソングだ。手も足も出せない逆境の中、捨て鉢な気分になりながら、愛する者を亡くしながら、敵兵の只中へと突貫していく主人公。「さらば 目に映るすべて達」という歌詞が泣かせてくれる。

 

②シン・魔物BOM-BA-YE ~魂ノ共鳴編~ / THE 夏の魔物

 少しマニアックなアーティストだが、THE 夏の魔物は皆さんご存知だろうか?5人組の男女で、各々のイメージカラーのライダースに身を包み、戦隊モノ、アイドル、プロレス、ロックンロールなどといったモチーフを内包した”ペンライトを振れるロックンロールバンド”である。メンバーは、元々別のバンドでボーカル、ベーシストだった者や、アイドル、現役プロレスラー、元夏の魔物のただのファンだった者など、個性が光っている。

 「夏の魔物」を名乗っていた頃はメンバーが入れ替わったり事務所が変わったりドタバタと地に足のつかなかったグループだったが、今年の夏から、ついにVAPと契約を結び「THE 夏の魔物」として活動に乗り出した彼らの最初のEPの主題曲がこれだ。泥にまみれ、苦しい戦いを強いられた彼らが、しかしギラリと鋭い目で前方のみを見据えて声を張り上げる姿には圧倒させられる。

 

③Swedish Pagans  /  Sabaton

 ホラー映画が好き、アニメや漫画が好きとくれば当然メタルも大好物である。サバトンは、第二次大戦などはもちろん、日本の城山の戦いなど、世界各国の古今東西あらゆる戦争をモチーフにした楽曲がカッコ良すぎるメタルバンドで、男むっさいボーカルも相俟ってそりゃあもうアッツい。ぜひ画像検索をしてもらいたいのだが、彼ら、ライブの際には、戦車を模したステージの上にドラムを組み、メンバーの前に一本ずつ立てられたマイクスタンドには、ヘルメットと銃弾とアサルトライフルを巻き付けている。バカでしょ?

 この曲のモチーフはずばり北欧のヴァイキングで、「フェンリル」「オーディン」「アスガルド」など、オタク趣味があれば一度は聴き及ぶ神話の言葉が盛り込まれており、野郎臭いコーラスで聴く者の血を滾らす。朝学校行く前によく聴いてる。

 

④Maid Of Orleans  /  Dark Moor

 続いてもメタルから。ジャンヌ・ダルクの物語を主軸にして、バカにはありがたい非常に単純な構文で

「I'm not a man searching a groly.(私は栄光を求めない)

I'm just a hand chosen to fight.(ただ戦うために選ばれた)

It's a long way to our freedom.(我々の自由への道は長い)

I was betrayed. I'm burning at the stake.」(私は裏切られ、火刑に処された)

と歌う。スピーディな曲調と荘厳なアレンジ、力強くも美しい女声ボーカルが戦いのテンションを上げてくれるが、途中で挟まるギターソロが私立恵比寿中学の「バタフライ・エフェクト」に酷似していてちょっとズッコケる。

 

⑤なんてったってシャングリラ / でんぱ組.inc

 僕は趣味でトンファーを練習しているのだが、僕は誰か人に対して腹を立てた際に、よくこの曲に合わせてリズミカルにトンファーを用いて相手をボコボコにする妄想をするのだ。言っている意味が分からない人には、是非一度YouTubeトンファーの演武かなんかの動画を見ていただき、それからこの曲を聴いてほしい。これがなかなかどうしてしっくり来るのだ。特に、サビの「パッパレパッパレパッパレパッパレ」のところは、スマブラドンキーコングの↑B攻撃のように、両手にトンファーを持って回転するイメージです。

 

 他にも、聖飢魔Ⅱの「正義のために」とかImpellitteriの「Spanish Fire」とかAngraの「Spread your fire」とか色々あるのだけれども、そのすべてを紹介していたんではとてもじゃないけど時間がないので、選りすぐりに選りすぐって5選とさせてもらった。もう朝の5時だ。明日(というか今日)は、二か所でバイトをこなさなければならない。戦え、何を、人生を。

意識高い系学生、飼い犬に手を噛まれる。あァァんまりだァァァ!「グリーン・インフェルノ」

 ラブホテルの清掃のバイト中、映画好きの先輩とイーライ・ロスの話題で盛り上がった。奇しくも互いに、最近「グリーン・インフェルノ」を観たのだった。

 

 国連職員の娘で、正義感は強いが少し頭の足りない主人公・ジャスティンは、アレハンドロ(所謂「意識高い系」。いけ好かねー)率いるちょっと過激な学生運動団体に加入。仲間と共にペルーへ飛び、現代文明とは縁遠いヤハ族の住む森の伐採を強行せんとする企業をSNSの力で撤退させることに成功する。イェーイ!とはしゃぐ仲間たちの中で、国連職員の娘という立場を利用されて釈然としないジャスティン。ションボリと浮かない表情も束の間、突如ヘリコプターが森へと墜落する。

 何人かの仲間を失い、途方に暮れる学生グループ。と、そこへ突如飛来した矢がアレハンドロの彼女(コイツ、ジャスティンをいじめまくってていけ好かねー)であるカーラの首を貫通!大丈夫か!と駆け寄るアレハンドロだが、追い打ちをかけるようにカーラの眉間に再び矢がスコン!「ゾンビランド」じゃないんだから。

 あれよという間に蛮族に囚われてしまった一行。誰あろう、アレハンドロらによって住処を守られたヤハ族の仕業である。訳も分からぬまま一行は檻にブチ込まれるが、ひとりだけ檻には入れられなかったジョナ(気のいい黒人のデブ。ジャスティンにどうやら惚れてるっぽい)は、なんと突如生きたまま両目と舌を切り取られ、四肢をボリボリとヤハ族に食われてしまった!ヤハ族、なんと食人の文化があったのである。

 一人、また一人と食われる仲間たち。絶望のあまり自殺する者も現れた。そんな中、ジャスティンは女性メンバーの中でただ一人処女であったことを村の長老によって暴かれてしまう。ガーン!全身真っ白に塗られて赤い模様を付けられ、さながら怪奇ショートケーキ人間と化したジャスティンの運命や如何に・・・!? 

 

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↑怪奇!ショートケーキ人間

 

 鮮やかな森の緑と鮮血の赤、そして色とりどりのボディペイントをしたヤハ族達でカラフルに彩られた本作、ホラー映画には無くてはならない皮肉の部分が、そりゃもう意地の悪いほどに効いている。僕は頭が悪いんだけども、「文明人の奢り」「意識高い系学生いけ好かねー」「若気の至りでヘンなことするとロクなことがない」などと言ったメッセージは受け取ることが出来た。清々しいほどにビチグソ野郎のアレハンドロ、レズビアンのカップル、マリファナ中毒のラース(演じるのは「スパイキッズ」シリーズの主役で有名なダリル・サバラ!大きくなったね…)など個性的なメンバーも花を添える。

 そして何よりこの映画、イーライ・ロス御大の作品に共通して言えることだが、とにかく「痛そう」なのだ。顔面に突き刺さる枝、眼球破壊、四肢切断、陰核切除など目を背けたくなるシーンのオンパレードで、見事18歳未満の閲覧を禁止されている。イーライ・ロス監督作品と言えば「ホステル」で観られるアキレス腱切断や顔面火炙り、「キャビン・フィーバー リブート」の剥がれ落ちる皮膚なんかも鮮烈な印象を残すが、「グリーン・インフェルノ」も負けちゃアいない。

 そういえば、ヤハ族はほとんど皆オカッパ頭である。はて、この光景どこかで・・・。そう、「食人族」だ。映画が終わりエンドロールが流れ切ると、最後にデカデカと「ルッジェロ・デオダートに捧ぐ」と出る。ヤハ族のオカッパ頭は「食人族」のヤマモモ族のヘアスタイルのオマージュであるし、墜落事故で死んだ学生たちが地面に突き立てられた杭で尻から口まで貫かれていたのも、「ホステル2」でお世話になった蛮族ホラーの大先輩への敬礼代わりだったのだと納得できる。

 

 ところで、「ホステル」ってどんな終わり方だったっけ?顔を炙られた女が駅で自殺するところまでは覚えているが、何分観たのが5年ほど前にまで遡るものだから記憶がどうにも曖昧である。ラブホテルで働いている先輩も、「ホステル2」のエンディングがどうしても思い出せないらしい。

 「バタリアン リターンズ」のゾンビの女の子って最後どうなるんだったっけ?「パーフェクト・トラップ」のオチってどんなだった?日々夥しい量の人が死ぬ映画ばかり見ていると、誰が誰にどうやって殺されたのか、段々思い出せなくなっていく。それはかなりもったいないことなのでは?と思ったのが、今こうして初めてブログに手を出してみた大きな理由だ。初めて書き上げたこの記事、まぁこんなもんだろうか。これから色んなことを書いてみたいと思っています。よろしくお願い申し上げます。