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人生の感想。映画のネタバレなどする場合があります。

意識高い系学生、飼い犬に手を噛まれる。あァァんまりだァァァ!「グリーン・インフェルノ」

 ラブホテルの清掃のバイト中、映画好きの先輩とイーライ・ロスの話題で盛り上がった。奇しくも互いに、最近「グリーン・インフェルノ」を観たのだった。

 

 国連職員の娘で、正義感は強いが少し頭の足りない主人公・ジャスティンは、アレハンドロ(所謂「意識高い系」。いけ好かねー)率いるちょっと過激な学生運動団体に加入。仲間と共にペルーへ飛び、現代文明とは縁遠いヤハ族の住む森の伐採を強行せんとする企業をSNSの力で撤退させることに成功する。イェーイ!とはしゃぐ仲間たちの中で、国連職員の娘という立場を利用されて釈然としないジャスティン。ションボリと浮かない表情も束の間、突如ヘリコプターが森へと墜落する。

 何人かの仲間を失い、途方に暮れる学生グループ。と、そこへ突如飛来した矢がアレハンドロの彼女(コイツ、ジャスティンをいじめまくってていけ好かねー)であるカーラの首を貫通!大丈夫か!と駆け寄るアレハンドロだが、追い打ちをかけるようにカーラの眉間に再び矢がスコン!「ゾンビランド」じゃないんだから。

 あれよという間に蛮族に囚われてしまった一行。誰あろう、アレハンドロらによって住処を守られたヤハ族の仕業である。訳も分からぬまま一行は檻にブチ込まれるが、ひとりだけ檻には入れられなかったジョナ(気のいい黒人のデブ。ジャスティンにどうやら惚れてるっぽい)は、なんと突如生きたまま両目と舌を切り取られ、四肢をボリボリとヤハ族に食われてしまった!ヤハ族、なんと食人の文化があったのである。

 一人、また一人と食われる仲間たち。絶望のあまり自殺する者も現れた。そんな中、ジャスティンは女性メンバーの中でただ一人処女であったことを村の長老によって暴かれてしまう。ガーン!全身真っ白に塗られて赤い模様を付けられ、さながら怪奇ショートケーキ人間と化したジャスティンの運命や如何に・・・!? 

 

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↑怪奇!ショートケーキ人間

 

 鮮やかな森の緑と鮮血の赤、そして色とりどりのボディペイントをしたヤハ族達でカラフルに彩られた本作、ホラー映画には無くてはならない皮肉の部分が、そりゃもう意地の悪いほどに効いている。僕は頭が悪いんだけども、「文明人の奢り」「意識高い系学生いけ好かねー」「若気の至りでヘンなことするとロクなことがない」などと言ったメッセージは受け取ることが出来た。清々しいほどにビチグソ野郎のアレハンドロ、レズビアンのカップル、マリファナ中毒のラース(演じるのは「スパイキッズ」シリーズの主役で有名なダリル・サバラ!大きくなったね…)など個性的なメンバーも花を添える。

 そして何よりこの映画、イーライ・ロス御大の作品に共通して言えることだが、とにかく「痛そう」なのだ。顔面に突き刺さる枝、眼球破壊、四肢切断、陰核切除など目を背けたくなるシーンのオンパレードで、見事18歳未満の閲覧を禁止されている。イーライ・ロス監督作品と言えば「ホステル」で観られるアキレス腱切断や顔面火炙り、「キャビン・フィーバー リブート」の剥がれ落ちる皮膚なんかも鮮烈な印象を残すが、「グリーン・インフェルノ」も負けちゃアいない。

 そういえば、ヤハ族はほとんど皆オカッパ頭である。はて、この光景どこかで・・・。そう、「食人族」だ。映画が終わりエンドロールが流れ切ると、最後にデカデカと「ルッジェロ・デオダートに捧ぐ」と出る。ヤハ族のオカッパ頭は「食人族」のヤマモモ族のヘアスタイルのオマージュであるし、墜落事故で死んだ学生たちが地面に突き立てられた杭で尻から口まで貫かれていたのも、「ホステル2」でお世話になった蛮族ホラーの大先輩への敬礼代わりだったのだと納得できる。

 

 ところで、「ホステル」ってどんな終わり方だったっけ?顔を炙られた女が駅で自殺するところまでは覚えているが、何分観たのが5年ほど前にまで遡るものだから記憶がどうにも曖昧である。ラブホテルで働いている先輩も、「ホステル2」のエンディングがどうしても思い出せないらしい。

 「バタリアン リターンズ」のゾンビの女の子って最後どうなるんだったっけ?「パーフェクト・トラップ」のオチってどんなだった?日々夥しい量の人が死ぬ映画ばかり見ていると、誰が誰にどうやって殺されたのか、段々思い出せなくなっていく。それはかなりもったいないことなのでは?と思ったのが、今こうして初めてブログに手を出してみた大きな理由だ。初めて書き上げたこの記事、まぁこんなもんだろうか。これから色んなことを書いてみたいと思っています。よろしくお願い申し上げます。